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Radioheadも出演!アイスランド夏至フェス、シークレット・ソルスティスゆるゆるレポート

 今回のレポートは夏の音楽フェス。名称はSecret Solsticeで、訳せば「秘密の夏至」。うーん、夏至なんて誰でも知ってるので、ヒミツにしなくてもいいのにぃと思うのは私だけでしょうか。夏至の日のヒミツのお楽しみみたいな意味なのでしょうね。

 冬のお楽しみはもちろんアイスランド・エアウエイブスですが、この夏フェスもなかなかよかった。音楽的な規模感では、アイスランド・エアウエイブスには全く及ばないし、一度だけでもアイスランドで音楽体験をと思っている方には、絶対的にアイスランド・エアウエイブスの方をお勧めします。が、アイスランド・エアウエイブス3度以上行ったという方であれば、夏フェスのこれも悪くありません。私はとても楽しかった。
 なぜ3度かといえば、アイスランド・エアウエイブスは一回行った程度では何もかもがいっぱいいっぱいで、夢中でこなすだけで終わります。二度目は少し慣れて、かなり快適に動いたり、誰が観たいかを決めたりできるかも。三度目になると会場の雰囲気や距離感、好きなバンド等も結構決まってきて自分のペースで歩いて回れるようになります。ここで一旦、アイスランド・エアウエイブス体験が完成。3度行っていれば、どこかでオーロラが見えていることでしょう。


 ここまで来ると白夜を体験するのも悪く無いかも。そして音楽好きなら、やはり音楽が欲しいところ。アイスランド・エアウエイブスほど根を詰めて音楽を追究することはないけれど、夏のアウトドアの雰囲気や、お祭気分で音楽を楽しめるのは解放感がすごくあってよかったですよ。
 シークレット・ソルスティスの音楽フェスは木曜から日曜までの4日間。数えてみたところ、180組のアーティストが出演したようです。アイスランド・エアウエイブスの場合は、オフベニューとメインベニューで何度もライブをやっているアーティストがいるので、ギグ数は800くらいあった覚えが。このフェスでは一組一回のみ。別プロジェクトで同じアーティストがやってることはありましたけどね。
 で、今年のヘッドライナーはレディオヘッド!うぉ〜〜!日本にも来ますが、日本の夏フェスは暑くて行きたくないけど、一生に一度はレディオヘッドのライブを観たい!と願っていたので、これはもう願ったり適ったり。並ばなくても入れるだろうことは分かっていたけれど、私はサポートバンドのドアオープン一時間前には並んでました。気合い入ってたw。レディオヘッドだけは特別で屋内の会場。数年前シガーロスが演奏したのと同じ場所です。
 で、気合いを入れて入った割には、結局後ろの方で最後はボケーと座って観てました。それから、この日はニュー・アルバムがCDでリリースされた日でもあり、ストリーミングで放映されていたらしく、観たい!で、疲れて座って聞いていたけれど、アンコールになってトタンに再度気合いが入り、「パラノイド・アンドロイド」からは完全に狂いきって踊ってました(笑)。この日のセットリストはこちら
 レディオヘッド終わって、すごーく満足して会場を出てきたら、ちょうど夜中の12時で、こんな素敵な夕焼けに出逢いました。
 以下、このフェスを日付ごっちゃで簡単にレポしますね。観たアーティスト全てではなく、あくまでもざ〜〜っくりで。

 このフェスは航空機並みに液体を持って入れないようです。私はペットボトルに水を入れていたのですが、水をその場で捨てて、会場内で水を入れ直すように言われました。ちなみにビール一杯900円くらいが相場。高いよね・・・。
 そしてこちらは今年のフェスのスペシャルで、REYKA(レイカ)というウォッカのカクテル。レモンやライムで割ってあった感じ。それ以外は分からなかったけど、爽やかで美味しかった。
 会場にはいろいろな出店があり(タトゥーパーラーまであった!)、食べ物も種類が豊富で、ベジタリアンにも対応できる店が数軒。なかなかよさそうでしたよ。
 入り口近くのすぐのところに、こういったテントがあり、DJや新人バンドなどが入れ替わり演奏してました。ちょっと踊るのとか、いい感じ。こういったテントは会場内に3-4箇所あり、一箇所にはテレビのスクリーンが何台も取り付けられ、サッカーが観られるようになってました(当然!)
 私が最初に見たのはDiktaだったかな。こちらは二箇所ある屋外ステージのうちの一箇所。去年小さいライブ小屋で見た覚えがあるけど、こういう場所の方が彼らの音楽には似合っている気がした。ヴォーカルのホイクルの声はよく通るから、屋外ステージの方が魅力が引き立つ感じでした。
 こちらは私がコンピレーションにも入れたHalleluwah。特徴的なリズムと、アンニュイな雰囲気のラッケルのヴォーカルのコンビが絶妙なこのグループ、不思議な魅力がある。
 相変わらずラッケルいいわぁ。ミニスカでパンストの太ももの黒い部分を見せていて、それがセクシー。日本人なら絶対に隠しちゃうよね。
さて、屋内の大きな会場はレディオヘッドと、サポートのFufanuのみでしたが、別口にHelと称された屋内会場があり、天候に左右されないし、スペースもあるのでとてもよかった。屋外は23時までしか演奏が許されていないので、それ以降はHelに集合で踊ってました。チルアウトではなく、結構ガンガン踊れる感じ。
 で、メインはこちらの屋外会場。前述の屋外会場よりも客席が広い。なので、こうして乳児と参加組も。前回記事にしたカラー・ランも乳母車やらストローラーを押しながら入ってた親が居たけど、アイスランドの乳児の親、自分の趣味や行動を犠牲にしないところがいいなぁ。日本だと、なぜ乳児をロックライブに連れて行くのか?って問題視されそう。
 ここで見たのは、いつもお世話になってるヤコブのジャック・マグネット。お嬢さんのDisaがヴォーカルで、ディーサうまいなぁ。前回見た時は、あまりにも80年代のフュージョン色が強かったけれど、今回のステージは結構今っぽい音になっていた。
 このステージで見て、意外にもすごく楽しかったのが、シスタースレッジ!それも、シークレット・アクトとして名前が伏せられていて(たぶんギリギリまで決まらなかったのかも)、当日か前日に新聞上で発表されていました。
 私のリアクションは「え〜。それってディスコ時代の昔の名前で出てます系のグループじゃん」と思って全く期待していなかったのにーーー楽しい!滅茶苦茶楽しい!そして、やだぁ70年代にリアルタイムで聞いてた曲がじゃんじゃん出て来て、意外にというか、完璧にノリノリの私(笑)。年齢が高いほどこれは楽しめたはず。
 それから、このフェスで多分一番活躍したのが、私のホグニ様だと思う。なんかもう「様」付けたくなるほど去年のピアノ1本のライブで好きになった。で、まずはホグニのメイン・アクトであろうヒャルタリン。アイスランド音楽をかじったことがある人にはお馴染みの名グループですね。
 すると翌日、メインステージの誰かのライブがキャンセルになり、その代わりに出てきたのがGusGus。あれま、またまたホグニが登場。それにしてもアイスランドは国内でいいアクトを沢山持ってるから、何かの関係で誰かがキャンセルになっても、案外それを上手に穴埋めできるアーティストが居てラッキー。GusGusなんて最高っしょ。
 そしてまた翌日だったか翌々日だったか、今度はホグニのがソロとして登場。基本的に去年私がピアノ1本で聞いた曲のバックトラックが作ってあり、それを流しながらの・・・ってことはカラオケ状態?!うーん、うーん、去年の曲を覚えてるんだけど、ピアノ1本で、彼の感性のピアノ・コードの方が雰囲気があってよかったなぁというのが正直な感想。でも、ホグニは本当に何をどう歌わせてもうまいわ。好き。
 ホグニの次にメイン会場に出てきたのがAgent Fresco。彼らの演奏は去年のゲイ・プライドで見たけど、あれはフル・ステージじゃなかったので煮え切らない部分が。今回のはほとんどフルだったし、私、実はホグニの時から最前列に居て、たっぷりと彼らの動きも含めて楽しみました。メンバーが4人で、演奏がものすごくタイト。シャープ。このグループ、こんなに切れがよかったっけ?というくらいダイナミック。ドライブ感たっぷりで感心。アルノルのヴォーカルも、かなり調子よかったようでよかった。
 そのまま最前列でデフトーンズ。いや、これがですね。前の2アクトと違ってものすごく前列に圧力がかかるようになってきていて、危ない、ヤバイかもという圧死の危険を感じて、前列から抜けたくなった。お隣の女性は、ボーイフレンドが後ろからガッチリ守ってくれてる様子だけど、私は・・・そういうガードマンが欠如してるのはしゃーないっすね!人の密度がすごすぎて最前列からどうにも自力では抜けだすことができず、仕方がないので、ピットの中のセキュリティに頼んで、持ち上げて前から出してもらったという初めての体験(汗)。
 で、セキュリティ2名はどう見ても二十代前半くらいの小さくて細身の男性なんだけど、ヒョイっと、軽々と私を持ち上げて柵の前に出してくれた。確かにこの国だと、私の体重は子供並みなんだろうな。
 ということで、デフトーンズは圧死したくなかったという個人的な思い出が強すぎます。で、デフトーンズは遠くから見始めたけど、ごく基本的な感じの音楽なので、何となくフラっとHELに入り、暖まりたかったこともあり(理由はそれ?)少し踊ってから帰った。
 帰りのバス亭で何人かのアイスランド人の若者と話をして、なぜかFacebook友になったんだけど、ひとりは絵とかコラージュのアーティストでその後彼の展示会を見に行ったら結構よかった。もうひとりは、帰宅してよく見てみると、パンクのピンクストリート・ボーイズのメンバーだった。泥酔して、メタクタな話してたのが印象的(笑)。
 最後の日はサッカーの試合でもあったのか、フェスには少し出遅れて、それでも新人バンドや適当にやってたラップグループなども見て、いざオブ・モンスターズ・アンド・メンのステージへ。地元の若者の多くはDie Antwoordが目当てだったけど、私はオブモンで。新旧のヒット曲を織り交ぜて、とてもこなれたステージさばき。
 そして私はセーターに雨合羽の出で立ちなのに、なぜかカナダから来たという裸の集団が(笑)。彼らの写真を撮ってすぐにツイートすると、「その写真見たからツイートのアカウント教えて!」と言われ、結局この子達ともFacebook友に。後から写真全部あげたので、喜んでくれてよかった。
 最後はフワ〜っと紙吹雪が散ってファンタジックでした。トイレに行きたくなるのがイヤで、このフェス中私はずっとペットボトルから水をチビチビ飲む程度にしてたんだけど(スペシャル・ミックス以外は)、オブモンは最後の最後なので、奮発してビールを飲み始め、やっぱり飲んだ方が楽しかった!
 全般的に天気はまずまずの夏フェスでした。初日が一番よかったかな。雨が降らなかったから。たいしたレポートにはなっていないかもですが、アイスランドのように事前に考えて悩まなくて済む分、気持ち的にも楽だったし、会場移動も簡単だし、とってもいいイベントだと私は思いました。
 フェスの最終日と、アイスランドの国際空港であるケプラヴィクの管制官のストライキが重なり、実はものすごいスケジュール・チェンジがあり、そのせいで混乱が起こったことは事実だけど、アイスランド・バンド狙いの私は無関係だったし、私は夏のアイスランドの白夜を楽しむという意味でも、とてもいい体験でした。この夏フェスを入れて、夏のツアーを作りたいなぁ。(小倉悠加/ Yuka Ogura)

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