会員制、倶楽部ICELANDiaは2024年春に始動!

アイスランド・エアウエイブス2017:Gyda, JFDR, Sigrun, Hogni, Hildur, Halldor 見まくったぞ!

 (前回はこちら)2017年もアイスランド・エアウエイブスが華やかに開催され、アっという間に終わっていきました。今年で15回目のアイスランド・エアウエイブス。10年ぶりに独自ツアーをやらなかった年となり、完全にわがままマイペースで過ごした私。

 前年まで会場がハルパに集中し過ぎたこともあり、今年はバック・トゥ・ベーシックというか、ハルパが殆ど使われていなかった6-7年前頃に戻った感じです。で、どうだったの?と問われれば、ローカル感が戻った今年はすごくよかった。アイスランド・エアウエイブスだからこそ面白いことを、いつもとは違ったことをしようというミュージシャンの意気込みが手に取るように伝わってきて、やっぱり会場は小さい方が断然いいと再認識。

 そうそう、今年は写真家のシバノ・ジョシアさんがいらっしゃらなかった関係で、レポートの写真はすべて私のiPad miniで撮影したものになります。一応現地の人に写真を頼みましたが、それはいつになることやら。アイスランド・エアウエイブス写真展をブログ上でする予定ですが、写真のクオリティも定かではないので、期待しない程度に待っていたていただければです(うー、冷や汗)

 さて、第一日目はゆったりと構えて見てまわろうと思ったのに、案外欲張ってしまい、かなり欲張ってます。で、結果から先に言えば、この日が一番充実していた感じでした。今年の若手はヒップホップやラップが多く、正直あまり言葉がわからない私には、その系統のアーティストをじっくり見たいとはあまり思えなく(ものすごくサウンドが凝っていれば別ですが)、そういったアーティストを差し引いて見ればいいので、意外にも(?)見やすかった。

 ということで家を出た晩秋の一日。日が高く昇らないので、午後3時頃で最高に太陽が高くてもこんなに影が長く映ります。

  無関係だけど、ネコと戯れたのもいい思い出なので(笑)。

  今年の最初はCeasetone。本来はバックバンドがつくけれど、それは本会場でのことで、オフ会場のPetersen Suite. ギター1本でのパフォーマンスは思いがけずパワフルなのにメランコリック。高音域のきれいな男性ヴォーカルはどのような演奏も似合って得だなぁ、と。以前ハルパの本会場で見て気に入ったグループなので(音響系!)本当は見に行きたいけど、今夜そこまで到達できるだろうか・・・。

 街中はあちこちにオフ会場予定が貼り出されて、とても賑やか。うーん、アイスランド・エアウエイブス、好きだ!(笑)

 次に到着したのがバー・アナナス。アナナスとはパイナップルの意味なので、グラフィックに納得。

 そこで見たのが今年のバンドコンテストで注目されたGroaという女子パンク・バンド。少しゆるゆるな感じがいい雰囲気を出していて魅力。タイトになってしまうよりも、このゆるい感じがすごくいいんだよなぁ。

  一旦家に戻って軽く夕食。その後に向かったのが市庁舎で、今年初めて音楽関係者向けのパーティが行われました。どうやら観光キャンペーンも兼ねてたようでしたが。軽いおつまみとワインはあったので、少しだけつまんで雰囲気だけ楽しみ音楽会場へ。

 向かったのはLoft Hostelのギーザ・バルティスドッティル。って誰だ?と思わないでくださいね。ムームのヴォーカルの双子の片割れのギーザです。彼女はパーカッションとかなり実験的で前衛的な音を作りだしていて、興味深かった。
そして続いたのがJFDR。秋にソロとして初来日したこともあり、記憶に新しい音楽ファンも多いのでは?まずはパスカル・ピノンの一員として来日し、その後はSamarisのヴォーカルとして注目され、近年ではGanglyなどのプロジェクトもこなして大忙し。

 この写真はSamaris仲間でありSlugzとしてもアイスランド・エアウエイブスに出演しているアウスロイグ。ノイズ担当としてJRDRのプロジェクトを手伝ってました。

 セッティング中の風景をもう一枚。こちらはJFDR自身。


 双子の姉妹であるアススヒルヅゥルがパスカルではあまりやらなくなったため、JFDRのソロに転向したとか。彼女は七変化で、Loftではアメリカからのヴォーカリストも迎えて、ハーモニー重視のセット。私はミニマルなセットの方が好きだけど、JFDRの歌声は相変わらず感動もの。本当に魅力的なアーティストです。

  メイン会場でも特に人気が高いGamla Bioを見に行くと、ベテラン・ミュージシャン3名が組んだスーパーバンドTuskが演奏中。モダン・ジャズ・トリオで、特に誰がスターだということもなく(日本人から見ると北欧=ピアノ・トリオというイメージがあるかもですが)、かなり公平にソロを取り合っていて、それが全部すんごく聞きものになってるというグループでした。アイスランド人には知られた名手3名だそう。

  いや、わかってるんですけどね、ただただ、とっても可愛く明るくパンクしてるって。それ以上でもそれ以下でもないんですけどね。わかってますよ、分かってる。でもでも、どーしても見ないといられないステイヌンのSkelkur í Bringu。DJ Flugvel og geimskipとしても活躍する彼女のパンクバンド。いえ、みんなのパンクバンドなのかもだけど、目立つのは彼女のみ(笑)。ひたすらかわいいパンク!

 この写真、超有名な音楽紙やサイトがこぞって挙げてましたっけ。私、一番前に陣取ってたからすごくいいアングルで撮れた(笑)。場所はハードロック・カフェ。

 そして移動途中の会場だからと覗いたHressoでやっていたのがアメリカのラッパー、Fever Dream。チラ見で終わり。

 次に楽しみにしていたのがHurraで演奏したSigrun。シガーロスやビョークともコラボをしたということで名前が知られてきてますね。実際、音はすごくビョークっぽい。どこか民謡っぽくもある。リズム強調の曲、ハーモニー重視の曲、ノイズの嵐の曲、それぞれ特徴があって飽きさせなかった。去年もSigrunを見た覚えがあり、今年の方がよかった、好きだった。

 次にイズノへ移動し、まずは久々にディーサを見る。デビューからもう10年くらい経つだろうか。当初は結構アーティスティックな実験もやっていて、一時期はSong for Wendyというプロジェクトも組んでいたけれど、現在ではほぼヴォーカリスト1本。そうはいっても単なるポップじゃつまらないというのを知っている人でもあるので、アイスランド・エアウエイブスらしく少し凝った感じの美しいバック演奏で、満足度が高いパフォーマンスでした。

 またHurraに戻って見たのがHallador Eldjan。去年はお父さんのポエトリー・リーディングに音楽をつけるというプロジェクトで見たハラドール。今年はロボット楽器演奏をメイン(?)にしたセッティングで、リズム中心。どことなくユーモラスで、ロボット演奏はごく単純なものではあるけれど、なぜか憎めなくて、かなり楽しかった。

 そして向かったGamla bio。Rokkurroで活躍していたヴォーカリストのヒルドゥルがソロになり、Hildurとして大活躍中。大会場一杯の観客を大いに楽しませていました。彼女の歌声に沸く観客を見ながら、そういえば彼女には日本留学中にLiliy & the Foxという名前でごく小さな会場でライブをやってもらったんだよなぁなど思い出し、老人よろしく感慨深く彼女の人気を見守った次第です。

 次の登場したのがホグニ様。ホグニを様付けするようになってン年。私の念願叶い、やっと今年、Erased Tapesからアルバムをリリース。元GusGusのプレジデント・ボンゴがプロデュース。プレジデント・ボンゴといえば数年前、Serengettiというプロジェクト名で演奏した時、あの年の私の最高ライブに君臨した人です。この組み合わせ、悪いはずがないっしょ!
私にとってのホグニの最高のライブはピアノの弾き語りであり、ヒャルタリンのヴォーカリストとしてであったりしたけれど、今回のこのパフォーマンスもピカ一でした。アルバムのリリース・ライブとアイスランド・エアウエイブスが重なり、このメンツ、この曲での初ライブで緊張感がピリピリと伝わってくる。声の調子もいいし、プレジデント・ボンゴの音作りは本当にお洒落。悪いハズがない訳です。頭から尻尾までじっくり、たっぷり、彼のヴォーカルに浸りました。ただ、浸りすぎて写真のいいのがない(笑)。

家を出たのが15時過ぎていたにも関わらず、結局10組み以上かなりしっかり見られた初日のアイスランド・エアウエイブス。ゆったり回った割には数をこなしもしたし、Gamla Bioでは座っていたので、体力的にも楽でした。さて、明日は何を見ようかな(次回に続く)。(小倉悠加/ Yuka Ogura)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次