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Kopar 港を眺めながらの食事はアラカルトでじっくり味わいたい

 Koparはホエール・ウォッチングなどの観光船が出ているレイキャビク港に面したレストラン。眺めは悪くなく、特に二階の窓側の席はお勧め。本格的バーもあり、カクテルが美味しそう。

 予約はしていたものの、通された席は一階かつ奥まったところで、多分観光客であればあまりいい席ではないと感じると思う。私たちはそれほど港情緒を味わいたいとは思っておらず、レストラン探訪なので、そこそこ居心地のいい席であれば問題ない。でも、正直言って、予約した割には席の位置がイマイチとは思った。

 今回も割引を使っての食事。Novaのクーポン使用で二人で1人前のお値段。つまりは半額。メニューは選べず、お任せ8品コース(Adventureコース)のみ。半額なので一人前5千iskだと安いけれど、一人一万は疑問。7-8000isk程度が納得の価格帯かと思う内容だった。為替は変動するけれど、とりあえずは1isk=一円の計算でいいと思う。

 ということで、彼は赤ワイン、私は白ワインで食事をスタート。客側からワインの量を疑われないように(?)、規定量が示されているカラフェでワインは提供される。「ちょっぴりおまけして入れてね」と言うチャンスを逃すが、規定量ですというのを示すのにいい方法だとは思う。

 ホームメードのパンはサワードーで、バターは甘めのクリームが練り込んであった(どう聞いてもバイオレット・バターと聞こえたんだけど、それって何?)。上にかかっているのはラクリス・ソルト。

 一品目:スープ。各自に配られた小さめの容器に入ったスープはロッククラブの出汁が程よく、日本人の味覚にも馴染み深い。スープの中にはフカフカの小エビ、もやし、ほうれん草が入っていて、オレンジの彩りとほうれん草の緑がきれい。多分もやしのカリっとした食感とふわふわのエビの食感の対比を狙ったかと思うけど、味のバランスとして、魚介スープの中に生のモヤシは不思議だった(端的に言って私の好みではない)。スープ自体はとても美味しかった。

 二品目:アヒルのフリッター。これ以降は一皿で2人前。小さい容器には二種のソースがあり、クリームチーズにシェリーとガーリックを練り込んだものと、はちみつ/チリ/酢を混ぜた甘辛ソース。私はアヒル肉の味をまだよく掴めていないため、柔らかく食べやすい肉程度の認識しかできなかった。フリッターはカリカリフカフカで悪くなかった。ソースはチリを入れた蜂蜜&酢の取り合わせがとてもよく、炭酸で割ってドリンクにしたいほどだった。

 三品目:アヒルの春巻き。え?またアヒルでそれも揚げ物?ソースも似たような感じで(ユズ・マヨネーズソース)、上の飾りスプラウトも同じ。添えられたカラメライズされたピカーンやストロベリーはいいとして、中身の同じ揚げ物が続くのはどうなん?

 四品目:アイスランド名物のタラ。タラ自体はとても美味しいので、塩焼きでお願いします・・・って言えないんだよね。ナッツの砕いたのが乗せてあるのは目新しい。キヌアサラダの付け合わせはハーブが効いていて美味。パンプキンのピューレは彩りとしては綺麗だけど、他の味と混ざってしまうので、野菜そのものででてきた方がありがたい。特に今回はお試しメニューで2人前が一つの皿に盛られてくるため、自分の皿に移動させている間に形が崩れたり味が混ざったりするため、それを見越して私は(お行儀は悪いのかもだけど)大皿から直接頂いた。そして上にまた同じスプラウト。ネギ(ポロネギ)の焼いたのも甘くてとてもいいので、やはり塩焼きで・・・。

 五品目:骨つきラム。黒いソースはフルーティな感じが満載で、ラクリス味も結構強かった(私は好き)。白いふわふわはホワイトチョコじゃない?!四角い中に入ったソースはベルネーズ。とにかく大量に出てきたこのソースの温度が疑問。人肌にも達しないほど生暖かい程度で、とても肉につけて美味しくいただく温度ではなかった。上に皮膜が出来ていたので、温めてからかなり時間が経ってからテーブルに提供されたものだと思う。
 添えられているのは揚げポテト。ガーリックマヨネーズがポテトの甘さによくマッチし、上にかけてあるカリカリや小さいグリーンペッペーはマリネされていて、その香りも斬新で美味しかった。

 六ー八品:何と、3品まとめてデザート。え〜〜、デザートで一品と数えず、こうして三段になってくるから3品って強引じゃない?そして砕いたナッツやフワフワのホワイトチョコはメインディッシュで使っていたものと同じ。そこまで使い回すのは、食材を用意する人手不足かとも思ったけど、帰り際にキッチンを覗くと3名で調理してたので、細かく食材を用意できる人数とみたけどなぁ。
 一番上はスキール・シャーベットとチョコ系のチーズケーキ(見た目はアイスっぽい)。下にラズベリーソースやナッツ、カシスのフレッシュベリーが数個。

 二段目はパッションフルーツのアイス。

 三段目はデイツのケーキ(これが一番美味しかったかな)とバニラ・アイス。バニラアイスと言われたけれど、バニラ・ビーンズは入ってないし、バニラ・エッセンスの味さえせず、口当たりのいい卵黄アイスという印象。

 見た目はゴージャスだし、量もあるけど、どことなく味気なさを感じるデザート。これを三品に数えるのは無理があると私は思う。他の人はどう感じるのか?

 8品コースと聞くと、きっと少量でいろいろなおかずが食べられることを思い浮かべることだろう。で、最後にドンとデザートが3品として出されると、”印象”としてソンではないか?

 アイスランドの有名な素材であれこれ食べられることを期待すると、期待外れになりそう。メニューの名前通り、「冒険」なのか。だとしても中途半端な印象。メイン・シェフはアイスランドから料理人の代表団を出す際に、常に顔を連ねるという。ということは、味のバランスや見た目、全体のバランスなども考えることができるレベルのシェフであるはず。たまたまこの日の食材ではここまでが限界だったということか。一品毎の味はいいし、どの品も平凡に終わらせない意気込みは感じる。細かなところできちんとした仕事をしているのに、それを生かしきれてない印象なのが残念。なので、こういうお試しメニューを頼むより、真面目に(?)メニューからアラカルトで取った方がいいと思う。

 斬新な料理をだそうとしている姿勢はありありと分かるので、たまたまオーダーしたメニューと、たまたま飾り付けに使える食材が揃ってなかった日に当たったのかも。なので心からお勧めもできないけれど、行かない方がいいという感じでもなく、誰か他のメニュー食べたら感想教えて!に尽きる。

Kopar
https://www.koparrestaurant.is/en/

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