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2019年アイスランド・エアウエイブス(3)独自企画スペシャル郊外ツアーへ

 (前の記事)おっと、なかなか本題の音楽に進まない!

 アイスランド・エアウエイブス第1日目は、参加希望者を募って特別ツアーを企画した。いうまでもなく腹ごしらえをしてから夜のライブに間に合うように設定。そしてツアーが星の数ほど出ているゴールデンサークル等へ行っても意味がないので、観光バスルートからは外れた場所へ。

 アイスランドは大自然に恵まれていることで知られ(恵まれているというか、人口が少ない割に土地が広いから、手をつけていられない!)、観光地として開拓されていない場所でも、いわゆる「何気ない場所」でも結構な絶景が楽しめる。そういう場所はトイレが完備されていなかったり、そこに到達するまでの道が悪かったりするため、観光会社はツアーを組まない。けれど、普通のアイスランド人は海外からの客人との付き合いでもない限り、混み合う観光地へは行かないし、楽しむのは「何気ない場所」。現地の人でも名前も知らないような場所だ。

 レイキャビクから手軽に寄れる場所で、一箇所だけ観光地として整備された場所を入れ、後は個人的に好きでよく行くルートを組み合わせてツアーとした。具体的に言えば、Hvarfjordur一周とHraunfossarを組み合わせたのだった。

 この日は前日に雪が降り、晴天の日の出も手伝ってレイキャビクを離れた途端、初雪化粧の山々が神々しい。思わずバスのドライバー氏と「今日は綺麗だねぇ。絶景日だねぇ」と。観光バスのドライバーはしょっちゅうあちこちの観光地を走っている。景色も見飽きている。そんな彼女も驚きの天気と景色で、特にHvarfjordurに入ってからは、「これは一年に数日しかない絶好の観光日和」と言ったほど。本当に新雪のフレッシュな白が朝日に照らされ、空は青々としているし、海の水も穏やか。どこをどう走っても素晴らしい景色で、私も自分のパートナーに途中から写真を送ったところ、「会社を早退してそちらにすぐ向かうことができないのが残念」と。

 iPhoneの写真でどこまでそれが伝わるかは分からないが、こんな景色だった。

 途中、小さな滝に寄ったり、川の段差でミニの滝が群生しているような場所にも寄り、ガラス張りで景色のいいカフェで昼食。映画『LIFE!』の主人公が寄るピザ屋として使われた場所でもある。

 そこを出てからHraunfossarへ。地層から水が滲み出る珍しい滝で、そのような姿が一キロ近く。初めてここに来た時、その青い水と独特の景色、美しさに息を飲んだ場所だ。ここはカフェもあり、観光地として随分と環境が整っている。けれど、他の観光地から離れていることもあり、それほど大型のバスが多く訪れる場所でもない。ここはたっぷりと時間を取り、通る道路のルートも同じ場所は避け、未舗装道なども使い、とにかく普通の観光ルートには使わない場所をたっぷりと、アイスランドのごく気取らない日常の姿を見てもらえるようにした。

 私のツアーはどれもそうだけど、もしかしたら一生に一度のアイスランド旅行になるかもしれないので、他の旅行者とは違う体験をしてもらいたいと思ってる。現地人が選ぶアイスランドの楽しみ方を、音楽であれば私しかアレンジし得ない物事をみなさんに体験してもらう(アーティストとの食事会等)。右向け右で、有名な観光地へ行くのもいいと思う。それは普通の旅行会社がやっているので、私は私の独自企画でなければ体験することができない物事を提供したい。なので、今回も時間の制約と配分、観光として楽しめる度合い、天候が悪かった時の対策等を考慮して企画している。

 Hraunfossarの後は少しだけ時間の余裕があったので、レイキャビク近郊でもあまり人が来ない滝のある場所へ。今年ここには何度か来ていて、その度に観光ドライバーに「このような場所があるとは知らなかった」と驚かれる。ここは既に一面雪に覆われ、足元が滑りそうだったので滝のそばまでは行かなかったけれど(参加者男性は滝の場所まで降りて行った)、見晴らしもよく、馬もいて、荒涼としたアイスランドらしい景色。そして我々以外は誰もいない場所。朝からそういう場所を多くまわり、みなさんには貴重な体験になったことと思う。

 バスの運転手からも「アイスランド人が楽しむアイスランドの自然ってこういう場所よね。こういう内容のツアーは初めてだった。評判のいい観光地を一か所入れて、後は観光客が来ない場所ばかりだし景色もよくて、運転をしてた私も楽しかった」と言われた。前日、大型バスで観光地を回った参加者も、先日の観光地廻りとは全く違うと言っていたので、とても印象深い1日になったことと思う。私自身が観光客でも、こういう観光がしたいと思える内容だった。

 少人数でバスを借り切ってのこういった独自企画のツアー。自由度も高く、人数が揃えば割安感も出ると思う。こういうのを企画するのは好きだし楽しいので、バス会社と相談して、不定期にやろうかな。(次回に続く)

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