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温熱地帯、Engjahveir(エンギャクヴェイル)を再訪問

 アイスランドの夏は気温ではなく、日照時間が決め手。5月に入ると日照が夜まで続き、5月末頃には深夜まで明るくなる。そして、仕事の合間を縫っては郊外に出て・・・と本来なら書くころだが、実際は郊外に出て夏を楽しむのが中心になり、なかなかブログを書く時間が見つけられない。仕事中心なのが当たり前の日本人としては辛いというか、なんかもう訳わかんないっす(笑)。

 そんな2019年の5月半ば、去年の7月末に彼が大事故に見舞われた場所を再訪してきた。事故というのは大やけどで、地熱地帯に足を取られた彼は、両足首に皮膚移植の手術を受けた。悲惨な事故で、一時期は全く歩けず、職場に完全復帰するまで四ヶ月を要した。いや、四ヶ月で復帰できてよかったとも言える。事故当初は、今まで通りに歩くことができるようになるか危うくさえあった。

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 ここはEngjahveir(エンギャクヴェイル)という温熱地帯で、検索すれば情報は出てきても、グーグル・マップには掲載されていない。正式な道もなく、山の向こう側から見える湯けむりを目安に歩いていくしかない。夏の早い時期(5月頃)であれば、まだ草も生い茂っていないので歩きやすいが、夏になると牧草の背が高くなるため、それを縫って歩くのが少し厄介になる。どちらにしても道なき道を行くハイキングだ。ハイキングとして難しい場所ではないけれど、気軽に歩いていける場所でもない。

 そんな事故現場ではあったが、事故現場であったからこそ再訪したいと常々思っていた。再訪することで、自然を甘く見ないこと、侮らないことを再度心にいいきかせる機会にしたいと思っていた以上に、実はその場所がとても特別で素晴らしかったため、単純に再訪問したかったのだ。なにせ、だからこそ道なき道を行ったのであるし。

 去年の7月の、あの時のことを思い出しながら訪れたEngjahveirは、少し形が変わっていた。いや、温熱地帯は常にその有様が変わるという。なので、数日前に安全だった足場を盲目的に安全だと思ってはいけないと、事故後に誰かから言われたそうだ。そして、自分も同じように大やけどを負ったという人も少なくないことを知った。なので、こういう場所を訪れる際は、再三再四の足場確認を。

 温熱地帯は冬でも暖かいため、様々な植物が一年中生えていたり、普通の場所よりも少しばかり早く夏の草花を見かけることが多い。晴れ間のある夏の日でも決して暖かいとは言い難い気温のアイスランドで、温熱地帯の蒸気に包まれるとフワリと暖かく、気持ちも緩み、暖かい温度の有り難さをひしひしと感じる。が、蒸気が暖かいということは、その元になる場所は高熱で熱く、人手が入っていない場所であるため注意が必要だ。それを甘く見ると悲惨なことになる。

 去年のあの日、彼は私の写真を撮っていた時に足場を誤り事故にあった。リベンジということで赤い服(red hot=英語で非常に熱いということも意味する)を持参していった。

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