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2019年アイスランド・エアウエイブス(1)総括・雑感

Hjaltalin

 2019年のアイスランド・エアウエイブス。会場数は凝縮され、オフ会場での演奏も少なくなった。それだけを見ると、このフェスの全盛期の三分の一か四分の一に思える。オフ会場に至っては十分の一程度か。フェスが始まる前は「パワー落ちだよなぁ」などと勝手に決め付けていたが、蓋を開けてみると、これまでにないほど私はリラックスして楽しむことができた。

 裏腹なもので、会場数もライブ数も多い方が楽しめるというものではなく、「適度」が一番いい。言ってることが当たり前すぎるが、私はフェス21回中の17回を見ており、ごくローカル・イベントだった頃から、総人口30余万人そこそこの国に1万人以上を集め、オフ会場だけでも千以上のライブを繰り広げていた全盛期も知っている。その年毎に特色があり、長所も短所もあり、それぞれの持ち味であり、良し悪しでは決してない。そいういう物事を総括しても、私の中では近年で一番印象深く、楽しいフェスになった。

Hjaltalin
photo by Alexander Matukhno

 今年は選択が割合楽だった。2年ほど前から規模縮小をして来たとはいえ、それでもライブ数は多く、身を八つ裂きにして、その一つ一つを別会場に向かわせたい気分になったものだった。それは嬉しい嘆きであると同時に、そんな状況が毎日何度も続くと、苦しい気持ちになってくる。

 そのような辛い気持ちを持つのが今年はとても少なくて済んだ。落ち込む事なく、サッサと見たいライブを選択できたのは、精神衛生上にもよろしく、そのせいか若干身も軽く感じた。

 規模感は10年前に戻ったけれど、演奏者の質は格段上がり、出演者は文字通り粒揃いだった。それはオフ会場でも同じで、演奏レベルが高く、これまでのように「学芸会の延長みたいだけど、数年後が楽しみ」という原石の新人を見つける場がなかったのは、痛し痒しか。

 フェスのマネージャーと後日話をした時、今年は約800組のアーティストが演奏したいとデモ音源を送ってきたという。メイン会場は言うまでもなく、オフ会場も相当な数のアーティストが各会場に出演させてほしいというリクエスト・コールを送り、各会場ともにオッケーを出すよりもノーを言う数の方が断然多くなってしまった、と。

 という訳で、フェス内で(誰も知らないレベルでの)有望な新人を見かけることはなかったけれど、それでもアイスランド・エアウエイブス期間に合わせて自主的に開催した音楽イベントがいくつかあり、その中できっと、今後注目されていくであろうアーティストが出ていたと思う。特にエアウエイブスとの語呂をかけたのか、エアーホエールズ(Air Whales /空気くじら)なるミニ・フェスの開催があり、ラインアップを見ると、私が最近注目し始めたアーティストがちらほら。

 次回は具体的に一日目から私のメニューをご紹介したいと思う。(次回に続く

photo by Alexander Matukhno

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